小児科は生まれたばかりの0歳児から高校生や成人までの幅広い年齢層が対象の診療科ですが、やはり多いのは小学生以下の年齢層です。小学生以下の子どもの場合、治療方針に対して親の意向がかなり強く反映される傾向にあります。しかし、その意向が必ずしも子どもの意思とリンクしている訳ではありません。まだ治療に対してよく理解することが出来ていない年齢層の子どもだと、自分が何をされているのかよくわからずに恐怖心を抱いてしまうことも少なくありません。そのため、医師や看護師に対して不信感を覚えてしまう子どもも多いのです。インフォームド・アセントは医師だけではなく看護師の仕事でもあり、場合によっては医師よりも話を聞いてくれることも少なくありません。
小児科の看護師は、治療などに対する子どもの不安感などをしっかりと受け止めてあげて、心に寄り添うことが大切です。子どもとの距離を縮めるためには、深い愛情をもっていることを子どもに感じてもらわなければなりません。大人であれば注射で泣き出す人はほとんどいませんが、子どもの場合はとても多いです。それでも頑張った子どもに対して優しく「頑張ったね」と褒めてあげる、いわゆるプレパレーションが子どもとの距離を縮めることになるでしょう。
子どもは大人が本気で自分に接してくれているかどうかを敏感に感じ取ります。子どもが医療従事者を含めた大人に不信感を抱くのは小児科ではよくある問題ですが、それを改善させるには看護師が子どもの心に寄り添うことが非常に重要なのです。